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BLぐらい観るわよ

先日『同級生』というアニメ映画を観た。劇場で予告として流れていたころから気になってはいたのだが、いわゆる女性向け(腐女子)作品だったのでなんとなく劇場までは足が向かず、気がついたら公開が終了していた。

先日ふと「そういえばそろそろレンタルがあるかも」と思い、地元のTSUTAYAをうろうろしているとやはり有ったので借りてみた。

深夜アニメの中にもいくつかBLっぽい作品はあって、そういったものも観たことがあったのだが、しっかりしたBL作品を観るのはこれが初めてで、さすがに男同士のキスシーンに遭遇したときは「うーん、俺は何を観ているんだろう」と思ったりもしたが、次第に慣れ、終わるころには「BL作品だからと言って避けずに観て良かった!」と素直に思った。

押尾コータローの繊細なBGMも素晴らしいのだが、なにより草壁役の神谷浩史の演技が素晴らしいし、積極的に行く草壁に対し戸惑う佐条もいいし、とにかくすごく純度の高いカップリングを楽しめて最高だった。

期待以上に素晴らしかったので仲の良いアニメ好きの知人諸々におススメしたのだが、やはりBL作品だからなのかウケはあまりよくなく、観てくれそうな人はいなくて少し残念である。

僕からすると関係性(カップリング)を楽しむのだからここ数年の流行りのアニメとそう変わりはないんじゃないかとも思ってしまうわけだが、やはり性差というものは大きいみたいである。僕なんかはそういった流行りアニメよりも『同級生』のカップリングの方が、純度が高くて楽しめたりしたのだが。

 

僕が深夜アニメを観出したばかりの頃に社会現象?と言われるくらいヒットしたのが『けいおん!』だった。日常アニメの到達点とまで言っていいかはわからないが、「全国大会出場!」といったようなたいそれた目的もなく、ただただゆる~い軽音部5人の日常を描いた『けいおん!』とその大ヒットは一つの達成だったと思う。物語性も希薄で、モブにいたるまで登場人物から「男性」(ノイズ)を排除した『けいおん!』はなんとなく時代と寝ていた感じがあったような気さえする。

一方で、最近の流行りの『ラブライブ!』は、「廃校阻止!」そのために「大会で優勝!」と物語性もあったり、なにより『けいおん!』ではキャラとキャラのカップリングを楽しむというよりも全体の関係性と空気感を楽しむという感じだったが、『ラブライブ!』ではよりキャラとキャラのカップリング性を愛でる傾向があってこのあたりが『けいおん!』とは違うなと感じる。

なんの根拠もなくそしてジャーゴンにまみれたゼロ年代風に言わせてもらえば、戦後日本のなれの果てであるポストモダンが産み落とした作品が『けいおん!』であるとするなら、『ラブライブ!』はSNSスマホによる過剰につながった(関係性の錯乱)時代の作品と言えるのだろうか。

 

ところで、『同級生』には原作漫画があって、アニメの先が読みたいのでふらっと書店のBLコーナーに行ってみたりしたのだが、アウェイ感がすごくて結局買わずに帰ってきてしまった。なんだろう。BL漫画を買うってどぎつい萌え漫画を買うよりもはるかに困難なことなんだな。